米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は,世界半導体市場に関する予測の上方修正を米国時間11月26日に発表した。それによると,2005年の売上高は6%増で過去最高の2260億ドルに達するという。11月の発表では,2004年から横ばいの2130億ドルになると予測していた。

 SIAは,同市場が2008年までは平均成長率9.8%で拡大し,2008年の売上高は3090億ドルに達すると見込む。

 SIA議長のGeorge Scalise氏は,今回の上方修正の理由として,世界市場における半導体の売上高が第1四半期を通じて予測を上回ったことを挙げている。同氏は,これがパソコン,携帯電話機をはじめとする消費者向け市場の需要にけん引されたものであると説明している。11月の時点では,原油高やいくつかの業界における余剰在庫に対する懸念から控え目な予測となっていたという。

 2004年第3四半期には,業界がサプライ・チェーンにおける余剰在庫に迅速に対応した。その結果,2004年は余剰在庫が15億ドル分を超えることが無かった。Scalise氏は,「2005年第1四半期には在庫調整がほぼ一巡し,同年の予測における懸念事項ではなくなった」と説明している。

 SIAは,携帯電話機,パソコン,デジタル・テレビ,デジカメの売上高が伸びると予測している。2005年のデジタル・テレビの売り上げ予測を前年比50%~65%増,デジカメは6%~15%増に引き上げ,これに伴い半導体需要も増えるとしている。

 また,すべての地域において半導体市場が伸びをみせると予測している。特に,アジア太平洋地域は急速な成長を続け,2008年には世界市場の46%に達すると予想している。

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