米SourceLabsは米国時間6月8日,同社の幹部にオープンソース界でリーダー的存在のBruce Perens氏を迎えたと発表した。Perens氏はデベロッパ・リレーション&ポリシー担当副社長に就任する。オープンソース推進活動を続ける一方で,企業のIT部門とオープンソース・コミュニティのパイプ役として,SourceLabs社のオープンソース・システム開発を支援する。

 Perens氏は,オープンソース・ソフトウエアの権威ある定義として広く認知されている「Open Source Definition(オープンソースの定義)」の作者として知られるほか,オープンソース・ライセンスの承認を行なう米Open Source Initiative(OSI), Linux標準規格を策定する組織「Linux Standard Base (LSB)」,オープンソース・ソフトの開発・配布を支援する非営利団体「Software in the Public Interest(SPI)」などの共同設立者でもある。

 SourceLabs社CEOのByron Sebastian氏は,「オープンソース開発者と企業のIT部門による連携は,大きな可能性を秘めている。Perens氏は,共通の目的を持つコミュニティの取りまとめに秀でており,両者のコラボレーションにおいて,不可欠な存在になるだろう」と説明する。

 またPerens氏は,「多くのソフトウエア・メーカーは,他社製品への乗り換えをコストのかかる作業にして,企業を自社システムに取り込もうとしている。しかしSourceLabs社は,オープンソース・ソフトの統合やテストに投資することで,企業に最大の利益をもたらすことを優先している」と述べる。「SourceLabs社は次世代ソフトウエア産業の育成において中心的な役割を果たすだろう」(同氏)

 SourceLabs社は,米BEA Systemsの元幹部が2004年に立ち上げた企業。ミドルウエア,データベース,サーバー・インフラストラクチャなど,オープンソース環境に向けた製品を取り扱っている(関連記事)。

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