コンサルティング会社の米DiamondCluster Internationalは米国時間6月6日に,ITアウトソーシング・サービスの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,オフショアのアウトソーシング・サービス・プロバイダに不満を抱く企業が増えているものの,オフショア・アウトソーシング予算を縮小する予定の企業はわずか7%だった。

 調査は,Global 1000企業のIT役員210人とアウトソーシング・サービス・プロバイダの上級幹部242人を対象に,2004年終盤~2005年初頭にかけて実施した。

 期限より早くアウトソーシング契約を打ち切った企業の割合は51%で,前年の調査と比べ倍増した。オフショア・アウトソーシング・サービス・プロバイダに対する満足度は,前年の79%から62%に急落した。

 DiamondCluster社のTom Weakland氏は,「これは,プロバイダだけの責任ではない」と述べる。「多くの企業は,1社以上のアウトソーシング・サービス・プロバイダを使うようになって数年経つ。しかし,いまだに,アウトソーシングの成果を測定する手段を確立していない。アウトソーシング市場の将来は,アウトソースする側が,ITスタッフを戦略的に配置する能力と,適材適所にリソースを割り当てているか測定する手段を持っているかどうかにかかっている」(同氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・アウトソーシング・サービスを利用する理由として,83%の企業が「より重要な部署に社内リソースを配置できるため」と回答

・今後3~5年で,一部のIT業務を中国にアウトソースする予定の企業は40%(昨年の割合は8%)

・アウトソーシング・サービスの利用については,企業の88%が「従業員の反発」を懸念

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