米IBMは米国時間6月7日,認証管理ソフトウエアの新版「Tivoli Identity Manager Version 4.6」と,身元管理サービスを発表した。「企業が急増する個人情報の盗難の被害にあわないように支援するのが狙い」(同社)とする。
Tivoli Identity Manager Version 4.6では,新しいアカウントやパスワードを迅速に設定できるようにするほか,ユーザーがパスワードの変更と同期を行えるようにする。また,セキュリティ・ポリシー,アクセス権,セキュリティ監査に関するレポートを集中的に作成する機能や,セキュリティ・ポリシーのシミュレーション機能を提供する。
同ソフトウエアは2005年第3四半期より販売する。1ユーザー当たり,もしくは1プロセサ当たりの価格設定となる。
IBM社はさらに,米Viisageと共同で身元管理サービスを提供する。具体的には,新規ユーザーに信用証明書を発行してアクセス権を付与する前に,ユーザーの身元を,運転免許証や出生証明書,バイオメトリクス情報などとつきあわせて確認できるシステム構築を支援する。「政府職員のID,金融機関のカード,健康保険証,旅券など,さまざまなケースで利用できる」(同社)
IBM社によると,フィッシングなどの詐欺を試みる電子メールの数は過去3カ月間で約1550万通に達したという。同社Global Services部門Security and Privacy Services部門担当副社長のCal Slemp氏は,「多くの企業は,さまざまなセキュリティの脅威に対抗するために,膨大な時間を取られている。セキュリティ管理が不十分なため,企業機密や個人情報への不正アクセスのリスクを抱える企業も多い。企業はセキュリティの評価と確保において,より包括的なアプローチを取ることが重要」と指摘する。
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