米Microsoftは,データベース・ソフトウエア「SQL Server 2005」,アプリケーション開発環境「Visual Studio 2005」,電子商取引向けサーバー・ソフトウエア「BizTalk Server 2006」の最終版を11月の第2週にリリースする。Microsoft社が米国時間6月7日に明らかにしたもの。

 同社は,フロリダ州オーランドで開催中の技術者向けセミナーMicrosoft Tech*Ed 2005のなかで,SQL Server 2005のベンチマーク・テスト結果を初めて公開した。HP Integrity SuperdomeサーバーのWindows Server環境でTPC-C値を計測したところ,「SQL Server 2000を38%上回るWindowsプラットフォームでは最高」(同社)の108万2203tpmCを記録した。tpmC単位当たりのコストは5.38ドル。「同環境のOracle 10gに比べ7%高速で,35%低コスト」(同社)

 TPC-Hによる計測では,32プロセサ構成のNEC Express5800/1320Xe上で,SQL Server 2000に比べ4倍弱速い2万261QphHを出した。HP Integrity rx8620とBull NovaScale 5160によるTPC-Hの結果も合わせると,SQL Server 2000より最大162%高速という結果を得た。Oracle 10gと比べると,処理速度は38%高く,クエリ当たりの価格は20%やすいという。

 同社は,SQL Server 2005のコミュニティ技術プレビュー6月版(June CTP)の提供をWebサイトで開始した。

 さらに,Oracle環境からSQL Serverへの移行を推進するため,移行支援ツール「SQL Server Migration Assistant」の提供も行っている。「ブラジルAtento BrasilとカナダTransCanadian Pipelinesが同ツールを使ってSQL Server 2000に移行したところ,手作業と比較して最大80%の負荷軽減になった」(Microsoft社)。同ツールは同社のWebサイトから無償ダウンロードできる。

 なお,既に8社の企業がSQL Server 2005を実際の業務で使用している。Microsoft社は「さらに20社以上が最終版リリースまでに導入する」と見込む。

 また同社は同日,アプリケーション開発プラットフォーム「.NET Framework」向けの無線ICタグ(RFID)技術インフラについても発表した。同社はTech*Ed 2005で同インフラのデモンストレーションを行った。

 同インフラを利用すると,同社のRFID技術をサードパーティ製アプリケーションに組み込むことや,RFIDデータを使ったビジネス・プロセスの統合作業が容易になるという。アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)と.NET用ツールも用意しており,「さまざまな用途を持つ,特定分野向けの垂直ソリューションを迅速に開発できる」(同社)。

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[発表資料(SQL Server 2005など)]
[発表資料(RFID用技術インフラ)]