米Red Hatは,同社が支援しているオープンソース・ソフトウエア団体Fedora Projectを「Fedora Foundation」として独立させる。Red Hat社が米国時間6月3日に明らかにしたもの。

 同社はFedora Foundationに対しても経済的および技術的支援を続ける。Fedora Projectの開発活動と管理下にあるソースコードの著作権は,Fedora Foundationに移管する。ただし,Fedora Foundationの組織構成や運営方法,活動内容など詳細については伝えていない。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,Red Hat社は2003年に一般向けLinux製品系列「Red Hat Linux」事業を移管する形でFedora Projectを設立し,企業向けLinuxである「Red Hat Enterprise Linux」事業に注力した。Fedora Projectの提供するLinuxディストリビューション「Fedora Core」は市場シェアを急速に拡大しており,2004年9月~2005年3月に同LinuxベースのWebサーバーの数が122%増えたという。

 別の米メディア(InfoWorld)は,Fedora Foundationは非営利団体として8月中旬に設立する予定と報道した。

 またRed Hat社は,オープンソース・ソフトウエアの著作権を守りつつ共有を推進する概念「Software Patent Commons」を提唱した。「著作権者が『どのように著作物を使ってもらいたいか』という意思を表明し,その約束に沿って著作物を自由に利用できる」という“クリエイティブ・コモンズ”の考え方によく似ているという。「Software Patent Commonsにより,将来自由にコラボレーションできるようになる。しかもソフトウエア技術の共有時に特許を心配する必要が少なくなる」(同社)

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