英Sophosは米国時間6月1日,2005年5月におけるコンピュータ・ウイルスなどの被害状況について調査した結果を発表した。前月まで5カ月連続で「Zafi-D」がワースト1だったが,当月は「Sober-N」の被害が最も多かった。

 Sober-Nは,英語とドイツ語でメッセージが書かれた電子メールで自身を拡散する。2006年にドイツで開催されるサッカー・ワールドカップのチケットが当たったという内容でユーザーを欺く。5月初めに出現して以来,急速に感染を広げ,被害は40カ国に及んだ。

 Sophos社上級セキュリティ・アナリストのGregg Mastoras氏は,「5月はSober-Nの動きが活発だった。また,Sober-Nに感染したコンピュータを踏み台に,大量のスパムを送信するSober-Qも報告されている」と述べた。また,ワースト6のMytob-AZは,ウイルス被害の1.6%しか占めていないが,外部からのアクセスを可能にするバックドアを仕掛けるので,「適切なウイルス対策を講じていない企業に深刻な被害を与える可能性がある」(同氏)。

 Sophos社は,2005年5月に新種ウイルスを1515種類検出した。現在,同社製品が防御できるウイルスは10万4784種類。なお5月は,ウイルスに感染した電子メールが全体の2.62%を占め,前月よりやや増加した。

■2005年5月のウイルス被害ワースト10

1    W32/Sober-N    43.8%          初ランクイン
2    W32/Zafi-D     14.5%
3    W32/Netsky-P   13.1%
4    W32/Netsky-D    3.1%
5    W32/Zafi-B      2.0%
6    W32/Mytob-AZ    1.6%          初ランクイン
7    W32/Mytob-Z     1.5%
=7   W32/Netsky-Z    1.5%
=7   W32/Mytob-E     1.5%
10   32/Netsky-N     1.4%
その他              16.0%

出典:Sophos社

■2005年5月の偽情報ワースト10

1    Hotmail hoax                  17.2% 11カ月連続ワースト1
2    Meninas da Playboy            11.3%
3    Bonsai kitten                  9.4%
4    Jamie Bulger                   5.9%
5    WTC survivor                   5.9%
6    A virtual card for you         5.2%
7    Bill Gates fortune             3.5%
8    Budweiser frog screensaver     3.4%
9    Mobile phone hoax              2.7%
10   Applebees Gift Certificate     2.6%
その他                             32.9%

出典:Sophos社

 「偽情報の多くは,何カ月間もワースト10にランクインしているお馴染みのものばかりで,大きな動きはない。ユーザーにとっての最良の方策は,このようなメールが届いたら無視を決め込んで,すぐに削除することだ」(Mastoras氏)

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