米携帯電話業界団体のセルラー通信工業会(CTIA)は,航空機内における携帯電話使用の解禁を検討している米連邦通信委員会(FCC)に,規制緩和に対する懸念を示す意見書を提出した。CTIAが米国時間5月26日に明らかにしたもの。

 CTIAは,地上の無線サービスへの干渉を引き起こさないことが実証できるまで,機内の携帯電話使用を禁止する規制を緩和もしくは撤廃するべきではないと主張している。

 CTIAで議長兼CEOを務めるSteve Largent氏は,「携帯電話サービスをいつでもどこでも,飛行機の中でさえも使いたいという消費者の要望は認識している。しかし,1億8200万人以上が利用する地上の無線サービスを確実に提供し,妨害を受けないようにすることがより重要だ」と述べた。

 また同氏はFCCに対し,さらに詳しい調査を行い,技術的解決策に関するより多くの情報を取得するよう求めている。「CTIAとメンバー企業は,この問題について,喜んでFCCに協力する」(同氏)

 CTIAは意見書の中で,「現時点で,地上の無線サービスを干渉から守る解決策はない」と指摘し,有効な手段が利用可能になるまで,FCCはきわめて慎重な態度をとるべきだと警告している。

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