日立製作所の米国法人Hitachi Global Storage Technologies(Hitachi GST)は,Serial Attached SCSI(SAS)と4Gbpsファイバ・チャネル(4GFC)に対応する新型ハード・ディスク装置(HDD)「Ultrastar 15K147」の出荷を開始した。Hitachi GST社が米国時間5月25日に明らかにしたもの。7月末には量産品の出荷を始める。「4GFC対応HDDの出荷は業界初」(同社)

 同HDDは,回転速度が1万5000rpm,平均シーク時間が最短で3.3ms,平均待ち時間が2msで,「回転速度1万rpmの製品に比べI/O速度は33%速く,当社で最も高性能な製品」(同社)という。

 記憶容量が36Gバイト,73Gバイト,147Gバイトの3モデルを用意する。キャッシュ・メモリーのサイズは16Mバイトあり,「コマンドのオーバヘッドを最小限に抑え,読み書き処理の平均応答時間を短縮した」(同社)。

 SASモデルのデータ転送速度は最大3Gbpsで,全二重かつポイント・ツー・ポイントの接続が行える。Serial ATA(SATA)対応HDDとの混在も可能。最大接続可能台数は1万6384台で,SCSIに比べ拡張性が高い。

 4GFCモデルのポート当たりの最大データ転送速度は,半二重の場合は毎秒400Mバイト,全二重の場合は毎秒800Mバイト。同社では「SAN,ファイル共有,ワークグループ,科学技術分野での利用を想定して設計した」とする。

 なお,Ultra320 SCSI対応モデルの提供も予定している。

 主な仕様は以下の通り。

・記憶容量:147Gバイト/73Gバイト/36Gバイト
・厚み:1インチ(約25.4mm)
・最大面記録密度:617億ビット/平方インチ
・プラッタ数(ガラス製):5枚/3枚/2枚
・記録ヘッド数(GMRヘッド):10個/5個/3個
・耐衝撃性:250G/2ms(非動作時),15G/11ms(動作時)
・平均シーク時間:3.7ms/3.6ms/3.3ms
・最大内部データ転送速度:1129Mbps
・最大連続データ転送速度:毎秒93.3Mバイト
・重さ:758g/741g/736g
・騒音:3.5Bels(アイドル時),4.6Bels(動作時)

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