欧州連合(EU)は,オープンソース・ソフトウエア・プロジェクト「FLOSSWorld」への出資を承認した。同プロジェクトを主導するオランダのマーストリヒト技術革新経済研究所(MERIT)が現地時間5月26日に明らかにしたもの。金額は66万ユーロ(約83万ドル)。同プロジェクトは,無償かつ自由なオープンソース・ソフトウエア(FLOSS:Free/Libre/Open Source Software)に関する世界規模の協力促進を目指す。

 FLOSSWorldは今月初めに発足した2年間のプロジェクトで,12カ国から17パートナが参加している。EUの出資金は,主にアルゼンチン,ブラジル,ブルガリア,中国,クロアチア,インド,マレーシア,南アフリカにおけるFLOSSコミュニティの活動に当てられる。まず,世界水準の研究とポリシー策定に取り組み,EU加盟国と発展途上国間のコラボレーション強化を図る。

 同プロジェクトは,MERITのほか国連大学新技術研究所(UNU-INTECH)から研究者を集める。対象国の公的研究機関や欧州の主要研究機関の協力も得る。インドの全国ソフトウエア・サービス業協会(NASSCOM),米スタンフォード大学の経済政策研究所,三菱総合研究所,Open Society Institute財団,国連貿易開発会議(UNCTAD)などがサポートする。

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