英Vodafone Groupは,3月31日締めの2005会計年度の決算速報を英国時間5月24日に発表した。同年度の売上高は2%の増収となり,純損失も縮小されて同社の事前予測とほぼ一致する,またはそれを上回る結果となった。

 同会計年度の売上高は,前年から2%増の341億ポンドとなった。同社は5年連続で純損失を計上しているが,赤字幅は縮小している。前会計年度は90億ポンドだった純損失が,2005会計年度には75億ポンドまで回復した。営業権償却費および特別費控除前の1株当たり利益は14%増の10.41ペンスとなったが,これらを含めた1株あたりの純損失は11.39ペンスだった。

 モバイル通信の売上高は332億ポンドで5%増加した。フリー・キャッシュフローは780億ポンド。営業からの純キャッシュフローは3%増の127億ポンドだった。

 同社によれば,世界の加入者数とデータ・サービスの利用が増加している。世界の26市場において,同グループのサービス加入者数は,同社が株式を保有する企業も含めて前年から1630万人増加して1億5480万人に達した。第3世代(3G)サービスを11月に開始して以来,240万人が同サービスを利用している。

 地域別にみると,同年はスペインにおいて56万3000人の新規加入者を獲得した。ドイツと英国における第4四半期の加入者数は予測を下回り,日本においては引き続き売上高が縮小している。日本では年間で15万8800人の顧客を失っている。

 また,同社は同日,2006会計年度に45億ポンドに上る自社株買い戻し計画を明らかにしている。

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