『映画「スター・ウォーズ:エピソード III シスの復讐』の公開数時間後にインターネット上に流出した違法コピーが,企業ネットワークを危険にさらす可能性がある」。米Akonix Systemsは米国時間5月20日,同映画の違法コピー・ダウンロードが企業ネットワークに与える影響について調査した結果を発表した。

 同違法コピーは,ピア・ツー・ピア(PtoP)型のファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用してダウンロードできる。すでに数千人が海賊版を入手済みだという。ファンがブロードバンドを手軽に利用できる勤務先でダウンロードを実行する可能性は高く,これによって企業は(1)ファイル共有が企業ネットワークの高負荷につながり,通常のネットワーク利用に悪影響を及ぼす,(2)海賊行為への対策を講じていない場合,米映画協会(MPAA:Motion Picture Association of America)から訴えられる,という問題に直面するおそれがある。

 Akonix社CEOのPeter Shaw氏は「BitTorrentの企業ネットワークにおける使用は全く合法性がない。企業のCIOやIT幹部は,企業内でのBitTorrentの存在に極力注意する必要がある」と説明する。「今回の映画にファンは熱狂しており,映画の違法コピーに対する需要が高まるのは避けられない。企業はファイル共有ソフトの利用を禁止するポリシーを設定し,利用を阻止する技術を導入するべきだ」(同氏)

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