UNIX互換オープンソースOS「FreeBSD」を推進する非営利団体FreeBSD Foundationの開発プロジェクトであるFreeBSD Projectは,FreeBSDの最新バージョン「5.4」を公開した。FreeBSD Projectが米国時間5月13日に明らかにしたもの。Webサイトから無償でダウンロードできる。

 FreeBSD 5.4は,米Intelおよび米AMDの32ビット/64ビット環境において,4Gバイト以上のRAMを搭載するシステムへの対応を大幅に改善したという。複数ホストでIPアドレスを共有するためのCommon Address Redundancy Protocol(CARP)に新規対応し,可用性と負荷分散機能の強化を図った。IPv4 IPsecをTCP-MD5拡張に対応させ,セキュリティも強化した。

 AMD64プラットフォーム上の各種Windows用64ビットNDISドライバにネイティブ対応したほか,米LSI Logicの「MegaRAID」と米Adaptecの「ServeRAID」といったアダプタを利用する際の性能を向上させた。さらに,「ネットワーク・スタック,ドライバ,サービス,消費電力管理サブシステム,Linuxエミュレーション・サブシステムに対して,安定性/性能面の改善を数多く行った」(FreeBSD Project)としている。

 新たに,GPIB-PCIIA IEEE-488カード,USB Communication Device Class(CDC)のEthernetデバイス,台湾ArecaのSATA II RAIDコントローラ,米HighPoint TechnologiesのATA RAIDコントローラ製品系列「RocketRAID 182x」といったハードウエアが利用可能となった。

 対応しているハードウエア・プラットフォームは,米Hewlett-Packard(HP)のAlpha,AMD社のAMD64,Intel社のEM64T/IA-64(Itanium),NECのPC-98x1,米Sun MicrosystemsのUltraSPARCと,標準的な各種Intel x86互換ハードウエア。

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