企業向けグリッド・コンピューティングの開発/普及を促進するコンソーシアムEnterprise Grid Alliance(EGA)は米国時間5月10日,「業界で初めて」(EGA)となる企業向けグリッドの参照モデルを発表した。「企業向けグリッドの普及促進に向けたフレームワークと顧客要件を提供する」(EGA)

 同モデルは(1)グリッド用語辞典,(2)企業向けグリッドで必要なコンポーネントのライフサイクルおよび管理を分類したモデル,(3)企業グリッド・コンピューティングの導入事例で構成する。「EGAのその他の取り組みと同様に,特定のベンダーに依存せず,技術および実装を限定しない。また,グリッド市場の発展に合わせて,継続的にアップデートする」(EGA)

 EGA技術運営委員会会長で,米Sun Microsystemsのシステム・アーキテクトであるPaul Strong氏は「過去1年間,EGAの参照モデル作業部会は企業向けグリッド・コンピューティングの基盤作りに取り組んできた」と説明する。「今回発表した参照モデルで,非常に複雑なデータ・センター環境を簡易かつ理解しやすく解説する」(同氏)

 EGAは,2004年4月にNEC,米Intel,米Oracle,Sun社などが企業グリッドの普及促進を目的として設立した。米EMC,富士通とドイツSiemensの合弁子会社Fujitsu Siemens Computers,米Hewlett-Packard,米Network Appliance,米AMD,米Novellなどが参加しているほか,2005年からは英e-Science Core Programme,米Unisys,Voltaire社,451 Group社の5社が新たにメンバーに加わっている。

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