音声認識技術を手がける米ScanSoftと米Nuance Communicationsは,ScanSoft社がNuance社を買収することで両社が最終合意に達した。両社が米国時間5月9日に発表した。取り引きは,現金と株式交換で行なわれる。買収総額は,およそ2億2100万ドルにのぼる。

 株式の交換比率はNuance株1に対し,ScanSoft株0.77。ScanSoft社は普通株式2800万株を新たに発行する。また,Nuance社株主は,所有する普通株式1株あたり2.20ドルの現金を受け取る。ScanSoft社は,手続きの完了時に8000万ドルの現金と有価証券を受け取る。

 買収により,新会社は,人員削減,事業所の統合,重複する営業経費の削除を通じて年間2000万~2500万ドルの相乗効果を期待する。また,ScanSoft社は,新会社の売上高が2006年会計年度には3億1500万ドルを超えると見込んでいる。

 新会社の会長兼CEOには現ScanSoft社の会長兼CEOのPaul Ricci氏が就任し,Nuance社側からは現社長兼CEOのChuck Berger氏を含む役員2名が取締役会に加わる。

 新会社の名称は,業界での認知度が高いNuanceが採用される予定。両社の取締役会はすでに今回の買収に合意しており,両社株主の承認,法的手続きを経て同年9月に買収が完了する予定。

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