富士通傘下の英Fujitsu Servicesは,英国における銀行のセキュリティに関して意識調査の結果を現地時間5月5日に発表した。それによると,銀行のサービスに対する不安,ならびにフィッシング攻撃,カード偽造,PIN番号の搾取の増加により,バイオメトリクス認証(生体認証)の要望が高まっていることが明らかとなった。

 調査は,Fujitsu Services社から委託を受けた英TNSが,英国人1000人を対象に実施したもの。英国人の3人に1人は「カード詐欺に対抗するため,バイオメトリクス認証を導入してほしい」と答えており,銀行が提供するサービスのセキュリティ確保を求めている。また,回答者の29%は,セキュリティ上の懸念からオンライン・バンキングの利用を控えている。
 
 「英国の銀行は,カード詐欺を減らすため,世界の金融機関の導入事例を活用すべきだ。バイオメトリクス認証を使用すれば,顧客の信頼獲得につながり,PIN盗難を削減できる」(Fujitsu Services社ファイナンシャル・サービス部門ビジネス・デベロップメント・マネージャのAnn Hosford氏)

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