米AMR Researchが,ERPベンダーに関する調査結果を米国時間5月5日に発表した。それによると,IT支出全体に対する大手ERPベンダー各社の売上高ベースのシェアは,2005年も拡大し続ける可能性が高い。その一方でERPベンダーの統合が進み,ドイツSAPと米Oracleに対抗できるベンダーは少なくなるという。

 AMR社によると,1999年時点で“JBOPS”と呼ばれていた米J.D. Edwards,オランダBaan,Oracle社,米PeopleSoft,SAP社の大手5社による市場シェアは59%だった。2005年になると,大手5社(SAP社,Oracle社,英Sage Group,米Microsoft,米SSA Global Technologies)の市場シェアは74%に上昇した。

 特にSAP社とOracle社は圧倒的であり,あらゆる分野,地域,顧客企業の規模,製品カテゴリで中心的な存在になるという。「2005年におけるSAP社の売上高ベースの市場シェアは43%で,引き続きトップを保つ。Oracle社の市場シェアは19%で,2004年のOracle社とPeopleSoft社の合計売上高から若干縮小した」(AMR社)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・2004年におけるERPベンダーの総売上高は前年比14%増で,ライセンス収入は前年に比べ16%増えた。ただしAMR社は「増加分のうち,約3分の1は為替レートの影響で増えた」とみる

・今後ERPベンダーは,金融/保険/小売りなどの新しい業界と,ブラジル/インド/中国のような新興国,中小企業といった分野で顧客を獲得するようになる

・アジア太平洋地域と欧州市場の一部分野でIT支出とERP投資が急拡大する

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