米QUALCOMMは,第3世代(3G)携帯電話機向けチップセット「Mobile Station Modem(MSM)6550」でLinuxをサポートする。QUALCOMM社が米国時間5月5日に明らかにしたもの。同社が他社製OSを採用するのはこれが初めてという。

 同社は,MSM6550上の仮想プラットフォームにLinuxを移植した。これにより,「既存のソフトウエアを流用することが可能になったうえ,コードの移植性も向上する」(同社)。

 MSM6550は単一チップ型であるためコプロセサを追加する必要がなく,設計コストの削減につながる。「サード・パーティ製OSを動かす際に必要だった複数チップによる従来の製品に比べ,複雑さも小さくなる」(同社)

 同社は「UMTS,HSDPA,CDMA2000 1x EV-DO Rev. AなどのプラットフォームでもLinux対応を進める」としている。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,MSM 6550は2003年9月のリリース以来,30種類の携帯電話機が搭載しているという。

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