米Verizon Communicationsは,VoIPサービス・プロバイダとそのベンダーに対して,VoIP向けの“911番”緊急通報発信システムを開放する。Verizon Communications社が米国時間4月26日に明らかにしたもの。今夏よりニューヨーク州ニューヨークシティで提供を開始し,正常運用を確認した後,ほかの地域にも対象を広げる。

 同システムを利用すると,VoIP利用者からの緊急通報を地元の適切な応答センター(PSAP:Public Safety Answering Point)に接続できる。さらに,発信者の氏名,住所,電話番号などを自動的に伝えるEnhanced 911(E-911)にも対応する。

 「発信者の情報は,ほぼ一瞬でオペレータに伝わる。発信者が話せない状態にあったり,通話が途中で切れたりする状況で特に有効だ」(同社)

 なお,発信者の住所などに変更があった場合は,VoIPサービス・プロバイダと利用者が更新しなければならない。情報が古いままだと,正しい情報がオペレータに伝わらないうえ,適切なPSAPへの接続が行えなくなってしまう。

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