米IBMは米国時間4月21日に,中小企業向けビジネス・インテグレーション(BI)ソフトウエア「WebSphere MQ」の新版を発表した。ESB(Enterprise Service Bus)構築の基盤を提供し,「業務アプリケーションとシステム間におけるデータ処理の手間とコストを削減する」(同社)。

 ESBは,サービスどうしを連携させてサービス指向アーキテクチャ(SOA)の実装を可能にするミドルウエア技術。

 「WebSphere MQ 6.0」は,1対1の情報伝送だけでなく,複数に向けた情報の同時配信を,Eclipseベースのツールで一元的に行える。例えばある製品がアップデートされた場合に,同製品を使っているすべてのアプリケーションで一斉に更新を実行できる。このため,様々なIT資産が混在する既存インフラに,新しいWebサービスを簡単に組み込むことが可能。

 そのほか,IBM社のメインフレーム向けソフトウエア「CICS Transaction Server」やアプリケーション・サーバー「WebSphere Application Server」の最新版およびz/OS対応版などとも密に連携する。

 IBM社は,WebSphere MQ 6.0に関する販売および技術トレーニング,マーケティング・リソース,技術サポートなどを中小企業向けオンライン・コミュニティ「Virtual Innovation Center」を通じて,無償で提供する。

 また同社は「WebSphere Business Integration(WBI)Server Express」の機能拡張について明らかにした。ウイザードを使ったルール設定で業務プロセスを向上するほか,効率的にWebベースの実装,設定,管理を行えるようにした。

◎関連記事
米IBM,事業目標とSOAを合致させる導入支援サービスを発表
米IBM,体系的なSOA導入を可能とする企業向けサービス「SOMA」を発表
米IBM,自律コンピューティング機能の組み込み支援技術を提供開始
米IBM,自律機能が特徴のアプリ・サーバー「WebSphere Application Server」の新版
米IBM,Eclipseベースの自律コンピューティング開発用ツールキットを発表
「2008年には,現在の約3倍のBI担当者が必要」,米Gartnerの調査
【JavaOne 2004】J2EEベンダーのSOA戦略が出揃う──SunとOracleがSOA対応製品を発表,IBMとBEAを追う
「Eclipseの利用が拡大,北米では最もよく利用されるJava開発ツールに」,米調査

[発表資料へ]