米AMDがデュアル・コア版「Opteron」を発表，「シングル・コア版より90％高速に」

高橋信頼

2005.04.22

　米AMDが，64ビット・アーキテクチャ「AMD64」ベースのデュアル・コア・プロセサ「Dual-Core AMD Opteron」を米国時間4月21日に発表した。4ウエイ／8ウエイ・サーバー向けの「Dual-Core AMD Opteron 800」製品系列を直ちに，2ウエイ・サーバーまたはワークステーション向けの「同200」製品系列を5月後半より利用可能とする。

　同プロセサは，単一ダイ上にある2つのコアと，メモリー，I／O，キャッシュを直接接続する技術「Direct Connect Architecture」を採用しており，「システムの全体的な性能および効率を向上させ，システム・バス（FSB）で発生するボトルネックを解消した」（AMD社）。

　マルチ・タスク，マルチスレッド環境では，2つのコアが物理リソースを増やすことになる。OSが複数アプリケーションを同時実行する際，タスクに優先度を割り当てたり管理したりでき，最大のパフォーマンスを引き出せるという。

　同社では，「Dual-Core AMD Opteronベースのアプリケーション・サーバーは，従来のシングル・コアAMD Opteronを使う場合に比べ処理性能が最大90％向上した」としている。ベンチマーク・テストSPECjbb2000で「AMD Opteron processor Model 252」の性能を計測したところ，「AMD Opteron processor Model 252」に比べ70％弱，「同Model 248」に比べ90％弱の高速化を確認した。

　既存プロセサとの互換性があり，マルチスレッド化していないx86アーキテクチャ・ソフトウエアをそのまま動かせる。「当社のWebサイト（AMD64 Software Ecosystem）に掲載している1300本以上のアプリケーションは，システムのBIOSをアップグレードすればデュアル・コア版AMD64プロセサ上で動作する。アプリケーションのコードを変更する必要はない」（同社）

　米メディアの報道（CNET News.com）によると，Dual-Core AMD Opteronプロセサ各モデルの主な仕様と1000個ロット時の単価は以下の通りという。

【Dual-Core AMD Opteron 865】
・動作周波数：1.8GHz
・レベル2キャッシュ・サイズ：2Mバイト
・価格：1514ドル

【Dual-Core AMD Opteron 870】
・動作周波数：2.0GHz
・レベル2キャッシュ・サイズ：2Mバイト
・価格：2169ドル

【Dual-Core AMD Opteron 875】
・動作周波数：2.2GHz
・レベル2キャッシュ・サイズ：2Mバイト
・価格：2649ドル

【Dual-Core AMD Opteron 265】
・動作周波数：1.8GHz
・レベル2キャッシュ・サイズ：2Mバイト
・価格：851ドル

【Dual-Core AMD Opteron 270】
・動作周波数：2.0GHz
・レベル2キャッシュ・サイズ：2Mバイト
・価格：1051ドル

【Dual-Core AMD Opteron 275】
・動作周波数：2.2GHz
・レベル2キャッシュ・サイズ：2Mバイト
・価格：1299ドル

　AMD社によると，米Sun Microsystems，米Hewlett-Packard（HP），米IBM，米Cray，米Supermicro Computer，米Egenera，米Dawning Information Industryが，Dual-Core AMD Opteron搭載システムのリリースを計画している。

　またAMD社は同日，デスクトップ・パソコンおよびデスクノート・パソコン向けのデュアル・コア・プロセサ「AMD Athlon 64 X2 Dual-Core」についても明らかにした。既にOEM各社へのサンプル出荷を開始しており，6月に利用可能とする予定。

　1000個ロット時の単価は，AMD Athlon 64 X2 Dual-Core 4800＋が1001ドル，同4600＋が803ドル，同4400＋が581ドル，同4200＋が537ドル。