米Time Warnerと米Comcastは,ケーブルTV会社のAdelphia Communicationsの全資産を共同で買収する。両社は最終合意に達したことを米国時間4月21日に発表した。127億ドルを現金で支払い(Time Warner社が92億ドル,Comcast社が35億ドル),さらにTime Warner社傘下のケーブル事業Time Warner Cableの株式の16%を当てる。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,買収総額は176億ドルにのぼる。

 これに伴い,Time Warner社は,Comcast社が保有するTime Warner Cable社株式の17.9%を,現金18億6000万ドルとケーブルTV局(加入者数は約60万人)で買い戻す。また,Comcast社が所有するTime Warner Entertainment社株式の4.7%と,現金1億3300万ドルおよびケーブルTV局(加入者数は約15万人)を交換する。Time Warner社はTime Warner Cable社株式の84%を保有することになる。

 Adelphia社買収により,Time Warner社とComcast社は,ケーブル事業を強化し,サービス提供地域を拡充する。Time Warner Cable社は約350万の加入者を獲得し,加入者総数は約1440万に達する。Comcast社は約180万の加入者を獲得し,加入者総数は約2330万となる。

 なおAdelphia社は連邦破産法11条のもとで破産処理を進めており,Time Warner社とComcast社による同社買収の実現には,米連邦破産裁判所や米連邦通信委員会(FCC)などの承認が必要となる。Time Warner社とComcast社は,9~12カ月以内に取引が完了すると見込んでいる。

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