米IBMが,アプリケーションやシステムへの自律コンピューティング機能の組み込みを支援する技術「Policy Management for Autonomic Computing(PMAC)」と「IBM Touchpoint Simulator」を米国時間4月19日に発表した。両技術を利用すると,ビジネス・プロセスの自動化や,アプリケーションへの自己管理機能の組み込みが容易になるという。IBM社のWebサイト(PMAC,Touchpoint Simulator)からダウンロードできる。
IBM社自律コンピューティング担当副社長兼Tivoli Software担当CTOのAlan Ganek氏は,「現在ほとんどの組織が大規模で複雑なIT環境を管理しており,技術コストは下がったのに,管理コストは上昇が止まらない」と述べる。「自己管理可能な自律技術を導入すると,システムは自己調整,状況変化の検知と対応,稼働停止の防止と停止状態からの復帰を自動的に行う。その結果,IT担当者にかかるこうした作業の負担を減らせる」(同氏)
PMACをアプリケーションに組み込むと,開発者の作成したポリシーやビジネス・ルールに従い,自律管理ツールが判断をするようになる。たとえば,“ポリシー・ベースの意志決定機能がデータベースにバックアップ・スケジュールを指示する”といった動作が実現できる。
Touchpoint Simulatorは,サーバーやデータベースなどのリソースを自律管理アプリケーションに接続することで,自律システムの開発を省力化する。「実際のITシステムの複雑さや不整合に煩わされず,現実的なアーキテクチャを利用してシステムを試験できる」(同社)
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■解説●自律コンピューティングの理想と現実(上)
■自律コンピューティングで火花(上)
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