米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は米国時間4月20日,「フィッシング」対策の取り組みについて発表した。金融機関向けセキュリティの米Cyotaと協力し,監視体制を敷く。

 Cyota社は,フィッシング攻撃を検知し,フィッシング・サイトを閉鎖するサービス「FraudAction」を提供している。AOL社は同社の協力を得て,365日24時間体制で,フィッシング・サイトの特定とフィッシングの疑いがあるWebサイトへのアクセス防止に努める。

 AOL社のWebページを模倣するフィッシング・サイトだけでなく,銀行,クレジットカード会社,オンライン・オークション・サイトなどを偽装して個人情報を盗もうとするフィッシング・サイトへのアクセス防止にも取り組む。

 また,メールのアイコンや色などのルック・アンド・フィールによって,AOL社が送信した本物の電子メールであることが識別できる「Official Mail」機能を提供する。アカウント認証のために6桁のコードを生成する小型トークン「PassCode」,登録した銀行口座やクレジットカードで,疑わしい払い出しが行われた際に通知する「Money Alerts」サービスなども始める。

 AOL社上級副社長兼チーフ・トラスト・オフィサのTatiana Platt氏は,「オンラインのセキュリティ脅威として,フィッシングと身元詐称が急増している。会員の個人情報が盗まれることがないように,さまざまな手段を使ってフィッシング・サイトそのものへのアクセスを防止する」と説明した。「今後数カ月間に,さらに強力なセキュリティ対策を講じるほか,法的手段にも訴えるつもりだ」(同氏)

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