「クライアント向けOSやアプリケーションの分野では,Linuxなどオープンソース環境のセキュリティが,米MicrosoftのWindows環境より優れている」。米BZ Mediaの子会社BZ Researchは,オープンソース・ソフトウエアとプロプライエタリ・ソフトウエアのセキュリティについて調査した結果を米国時間4月12日に発表した。

 調査はBZ Research社が,ソフトウエア開発マネージャ6344人を対象にアンケートを実施したもの。

 サーバー向けOSを狙ったハッキングや脆弱性の攻撃に対する安全性を尋ねたところ,「非常に不安定」または「不安定」とする回答者は「Windows Server」が58%,Linuxが13%,「Sun Solaris」が6%だった。一方,「非常に安全」または「安全」とする回答者はLinuxが74%,Windows Serverが38%,Sun Solarisが66%だった。

 アプリケーションに関連したセキュリティでも,Windows Serverの評価が最も低かった。「非常に不安定」または「不安定」という回答者はWindows Serverが58%,Linuxは18%だった。「非常に安全」または「安全」とする回答者はLinuxが66%,Windows Serverが30%,Sun Solarisが66%だった。

 8つのカテゴリに関して,オープンソース・ソフトとプロプライエタリ・ソフトのどちらのセキュリティが優れているか尋ねたところ,「デスクトップ/クライアント向けOS」(オープンソース・ソフトが44%,プロプライエタリ・ソフトが17%),「Webサーバー」(同43%,同14%),「サーバー向けOS」(同38%,同22%),「コンポーネントおよびライブラリ」(同34%,同18%)の4カテゴリで,オープンソース・ソフトに軍配があがった。

 セキュリティ・レベルがほぼ同等とみなされたのは,「デスクトップ/クライアント向けアプリケーション」「サーバー・アプリケーション」「アプリケーション・サーバー」の3カテゴリだった。プロプライエタリ・ソフトの方が高く評価されたのは,「データベース・サーバー」(プロプライエタリ・ソフトが34%,オープンソース・ソフトが21%)のみだった。

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