米Seagateは,米IBM,米Emulexと共同でオブジェクトベース・ストレージ・デバイス(OSD)を使った技術のデモを米国時間4月12日に実施した。同デモは,前年承認されたSCSI OSDコマンド・セット仕様に準拠する最初のプロトタイプ・デバイスと説明されている。

 オブジェクト・ベースのストレージは,SCSIコマンド・セットを拡張したもの。SCSI,iSCSI,Fibre Channel,SASといったインタフェースに対応できる。ひとつのオブジェクトとしてファイルとメタデータを管理と保存を行なうことにより,これまでホスト上で実行していた機能の多くをストレージ上で行なうことが可能になるという。

 オブジェクトベース・ストレージのデモは,サブシステムとディスク・ドライブのレベルで行なわれ,共有ファイルシステムを実行する2台のIBMメタデータ・サーバーが利用された。

 サーバーは,Ethernet接続を通じてオブジェクトをIBM OSDアレイに送り,オブジェクトは,内部のブロック単位のハード・ドライブに保存された。これにより,iSCSIとコントローラ・レベルにおけるプロトコルの有効性を示した。

 また,サーバーはオブジェクトをEmulex社のデュアル・チャネルのFibre Channelホスト・バス・アダプタ「LightPulse LP10000DC」を通じてSeagate社のOSDに送った。これにより,Fibre Channelファブリックとディスクレベルにおけるプロトコルの有効性が実証された。Emulex社のファームウエア・ベースのHBAアーキテクチャの柔軟性により,OSDのサポートが可能になっているという。

 「このデモは,ストレージのリソース管理の新しい時代の到来を示すものであり,企業のコンピューティング環境において大きな影響を与えるとともに多数のタスクを簡略にするだろう」(Seagate社)

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http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20050316/157514/

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