米In-Statは,アジア(日本,韓国,中国,台湾)のデジタルTV市場に関して調査した結果を米国時間4月11日に発表した。それによると,同市場の出荷台数は,2004年の1040万台が,2008年には2倍以上の2880万台に達するという。

 アジアではデジタルTV関連市場が活況を呈しており,中国は世界最大のTV市場で,日本はLCD TVの開発が世界で最も進んでいる。韓国のTFT-LCDパネルの出荷が世界で最も多く,さらにPDP TVパネルの生産で日本と競っている。

 In-Stat社Asia Pacific調査部門マネージング・ディレクタのRudy Teng氏は「日本は長い間,デジタルTV市場をリードし,ソニー,シャープ,松下電器産業,三洋電機,東芝,日立製作所などの国際的なブランドを生み出してきた」と語る。「しかし最近は,韓国のLGやSamsungが上位機種で積極的な攻勢をかけ,中国のTCL Chang Hong,Konka,Skyworthなどが中~下位機種の分野を占有し,さらには台湾のBenQ,Teco,Sampoなどが新規参入している。アジアのさまざまな国でデジタルTV市場が勢いづいている」(同氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・2004年におけるアジアのデジタルTV市場の規模は142億ドル。その内訳は,CRTが33億ドル,RP TVが42億ドル,PDP TVが18億ドル,LCD TVが50億ドル

・人口の多さにより,アジアは世界最大の消費市場となる。中国単独では,アナログとデジタルを含めたTVの出荷台数が,2004年に3500万台を突破した

・アジアは,世界で最も成長が見込めるデジタルTV市場となる

◎関連記事
「デジタルTVサービスの選択肢が4社揃っていない米国世帯は36.1%」,米調査 
「デジタルTVの世界売上高は2008年に700億ドルへ」,米IDC調査 
「2008年のデジタルTV出荷台数は2004年の5倍以上に」,米In-Stat/MDRの調査
「欧州の地上波デジタルTV放送,2003年末には370万世帯に普及」,米社の調査
米Sun,米HBOへのデジタル・テレビ番組保存/管理システムの提供計画を発表
米IntelがHDTV向け半導体技術を発表,「大型テレビの画像品質を向上し,低価格化を実現する」
米Intel,デジタル家電の開発企業対象に2億ドルのベンチャ・ファンドを創設
韓国Samsung,HDTV向け57インチTFT液晶パネルを発表,「大きさだけでなく性能もけた外れ」

[発表資料へ]