米Microsoftと米Intelは,共同で64ビット・コンピューティングを促進することを米国時間4月11日に発表した。Microsoft社は,Windows Serverの次期バージョン「Longhorn Server(開発コード名)」のItanium版を2007年にリリースする予定も明らかにしている。

 両社は,2005年には新しいサーバー・ハードウエアとハイエンドのワークステーションの大半が64ビット対応になると予測している。

 この移行に関わる要因として,Intel社のサーバー・プラットフォームのすべてが64ビット対応になること,WindowsプラットフォームがItaniumファミリのアーキテクチャであるEPIC(Explicitly Parallel Instruction Computing)と64ビット版XeonとPentiumの異なる64ビット・アーキテクチャに対応するようになることを挙げている。

 また,RISCベースのUNIXサーバーの64ビット・アーキテクチャから価格の低いこれらのプラットフォームへの移行を検討し始めている企業が増加していることを3つ目の要因として挙げている。

 Microsoft社Windows Server部門担当副社長のBob Muglia氏は,「拡張64ビット・アーキテクチャにより,ユーザーは自分のペースに合わせて純粋な64ビット・アプリケーションに移行しながらパフォーマンスの向上を図ることができる。x64版のWindows Server 2003上で64ビット・アプリケーションを稼動した時に最適化されたパフォーマンスを実現できる」と説明している。

 同氏は,「純粋な64ビット・アーキテクチャについては,Itaniumベースのシステム向けWindows Server 2003が最高レベルの信頼性,可用性,拡張性を提供し,高価なRISC/UNIXサーバーと置き換えることができる」としている。

 Microsoft社は,引き続きItaniumベースのシステム向けにWindows Server 2003 Enterprise Editionと同Datacenter Edition,64ビット・バージョンのSQL Server 2000 Enterprise Editionのライセンスとサポートを提供する。2005年後半には,Visual Studio 2005,.NET Framework 2005,SQL Server 2005にもItaniumサポートを拡張するという。

 Muglia氏によると,Microsoft社はItanium支持の一環として,x86版Longhorn Serverのリリースを予定している2007年に,同ソフトウェアのItanium版も発売する。また,5月下旬より北米,欧州,アジアの複数の都市において「Route64」というイベントを行ない,64ビット・プロセシングの利点を宣伝する。

 同社は,「RISCベースのソリューションに巨額を投じた企業は,Microsoft社やパートナのIntel社の製品に移行することにより,大きく経費を削減できる可能性がある」として,両社の64ビット製品が64ビット・コンピューティングの導入促進につながることを期待している。

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