米Gatewayが米Microsoftを独占禁止法違反で訴えていた裁判で,両社が和解に合意した。Microsoft社とGateway社が米国時間4月11日に明らかにしたもの。「両社の係争に終止符を打ち,Gateway社製品のマーケティングと開発で協力体制を敷く」(両社)。Gateway社はMicrosoft社に対するすべての訴えを取り下げ,Microsoft社は今後4年間で総額1億5000万ドルをGateway社に支払う。

 Gateway社はMicrosoft社から受け取る資金を,広告,販売トレーニングおよびコンサルティングなどのマーケティングのほか,Microsoft社製ソフトウエアや次期版OSを搭載するパソコンの研究開発およびテストに活用する。

 「当社はMicrosoft社との強力な関係を持ち続ける。過去の問題から発生した法的争いを終えることができて満足だ」(Gateway社社長兼CEOのWayne Inouye氏)

 Microsoft社OEM担当コーポレート・バイス・プレジデントのRodrigo Costa氏は,「建設的な手段で,過去の障害を解決できたことはたいへん喜ばしい。両社は,相互の顧客に利益をもたらすことに注力する」と述べた。しかしMicrosoft社は,今回の和解が「Gateway社に対する当社の責任を認めるものではない」としている。

 1990年代半ばに,米司法省がMicrosoft社を独占禁止法違反で提訴し,その際Gateway社は「Microsoft社の慣習により,ビジネスで被害を受けた」と認定された。その流れでGateway社はMicrosoft社を相手取って裁判を起こした。しかし,この事実認定にもとづいてGateway社がMicrosoft社の責任を追及できる期限は2003年末までだった。両社はこの期限を延長し,相互の事業と顧客の利益になる解決手段を模索していたという。

 またMicrosoft社は同日,Gateway社との和解費用(税引き前)1億2300万ドル,米Burst.comとの和解費用(同)4100万ドルを2005会計年度第3四半期(2005年1~3月期)の決算に計上することを発表した。その他の独禁法訴訟関連費用5億5000万ドルも同決算に計上する。

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