米Yankee Groupは,企業向けサーバーOS(Windows,Linux,NetWare,UNIX)に関する調査結果を米国時間4月4日に発表した。それによると,米MicrosoftのサーバーOS「Windows Server 2003」を導入している企業の大半は,同OSが品質,性能,信頼性の点でLinuxと同等,もしくはこれを上回ると考えているという。こうした意見とWindowsの広範なインストール状況を踏まえると,「LinuxがWindowsに取って代わることは難しい」(同社)。

 調査は,ヘルスケア,学術,金融サービス,法律,メディア,小売,政府関連業界の企業509社を対象に実施したもの。

 LinuxはWindowsネットワークにおける補完的なサーバーとして導入が進んでおり,企業の50%以上が既存のWindowsと並行して,あるいは追加として,Linuxを導入する予定である。

 また,Linuxを導入している企業の大半は「NetWareやUNIXシステムについては,変えるつもりはない」としているものの,一部の回答者は「NetWareやUNIXからは手を引く予定」と答えた。

 企業は引き続きOSのセキュリティを重視しており,回答者はLinuxサーバーとWindowsサーバーのセキュリティをほぼ同等に位置づけた。回答者によれば,セキュリティ攻撃を受けてから復旧するのにWindowsサーバーの方がLinuxサーバーより30%以上速いが,Windowsサーバーは重要な企業データが保存されている割合が高いことから,ダウンタイムにおける時間当たりのコストはLinuxサーバーの3~4倍かかる。

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