「3月におけるスパムとフィッシング・メッセージの数は,過去3ヶ月と比較して急増している」。アンチスパム・ソリューションを手がける米Mail-Filters.comが収集したデータを米国時間3月31日に明らかにした。

 同社によれば,2月から3月にかけてスパム・メッセージは14%増加しており,フィッシング・メッセージも17%増えている。

 2月には,週末にフィッシング・メッセージが増加するパターンが繰り返されていたが,この傾向は3月にもみられた。また,3月には平日に企業ユーザーを標的としたフィッシング・メッセージが増加している。

 その他にも,3月のデータからフィッシング目的の偽サイトは,短くて30分,長くて3日間で閉鎖されていることが分かった。平均して閉鎖までの時間は4.25時間だった。2月に予測された通り,インスタント・メッセ-ジングを介したフィッシング攻撃が急増している。また,ファーミングを含め,より高度な攻撃も急増していることも明らかになった。

 同社副社長のDaniel Ashby氏は,「引き続き,一般ユーザーと企業ユーザーの両方をターゲットとしたスパムとフィッシング攻撃による脅威が確認された。もっとも懸念すべきなのは,これらの攻撃が行なわれていることではなく,その高度なレベルと技術が向上していることである。知識のあるユーザーも思いもよらぬ被害者になり得る」とコメントしている。

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