英MessageLabsは米国時間3月30日に,企業向けの電子メール暗号化サービス「MessageLabs Boundary Encryption」を発表した。「企業メール・サーバー間における安全な電子メールのやりとりを保証する」(同社)

 MessageLabs Boundary Encryptionは,セキュアなプライベート電子メール・ネットワーク(SPEN:secure private email network)を提供する。SMTP over TLS(Transport Layer Security)を用いて,あらかじめ設定したパートナ企業との安全な通信を可能にする。デスクトップ向け暗号化ツールは不要。すべての電子メールは,顧客企業,MessageLabs社,パートナ企業をつなぐTLS暗号化チャネルを通って伝送される。

 「企業は,暗号管理のTCOを抑え,デスクトップ向け暗号化クライアンを保守する手間が省ける一方で,あらゆる電子メール・メッセージのプライバシと安全性を確保できる」(MessageLabs社)

 同サービスを利用するには,まず,暗号化の対象とする電子メール・ドメインと,暗号化チャネルで接続するパートナ企業を指定する。指定済みのドメインおよびパートナ企業との通信はTLSによって保護する。指定していないパートナ企業とのやりとりが発生した場合,通常の非暗号化SMTPを用いて,メッセージを受信者に伝送する。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,MessageLabs Boundary Encryptionの月額利用料は1ユーザー当たり3ドル。設定料の700ドルが別途必要。また,インストール規模や契約期間に応じたディスカウントも提供する。

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