ドメイン名やIPアドレスの管理を行っている非営利組織ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は,トップ・レベル・ドメイン(TLD)「.net」の運営を担う次期レジストリ候補として,米VeriSignが有力であることを明らかにした。ICANNは,調査を依頼した米Telcordiaの報告書をもとにした選考結果を米国時間3月28日に発表した。

 Telcordia社は,次期レジストリに応募した5社の施設視察,質疑応答などを経て集中的な調査を実施した。アジア,欧州,北米の技術専門家チームからDNSサーバーの運営に関する技術アドバイスを受け,各社の評価を盛り込んだ報告書をまとめた。

 Telcordia社は,「応募した5社はすべて.netのレジストリを運用する能力はあるが,経験,リスク,価格が異なる」と説明している。その結果,VeriSign社がもっとも高い評価を獲得し,僅差で日本レジストリサービス(JPRS)と米NeuLevelの合弁会社Sentan Registry Servicesが続いた。その後はアイルランドのAfilias,独Denic,CORE++という順位になった。

 2001年以来.netレジストリ業務を担っているVeriSign社との契約が6月30日に切れるため,ICANNは,次期レジストリの公募を行い,第三者機関による評価を実施していた。

 ICANNは,VeriSign社と2週間に渡る交渉を経てレジストリ契約を締結することになる。新しい業務委託は最低でも6年間の契約となるという。VeriSign社は,ICANNとの契約締結後に米商務省の認可を受けて正式なレジストリとなることができる。

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