米Microsoftが,欧州で販売する「Windows Media Player」非搭載版OSの名称を「Windows XP Home Edition N」「Windows XP Professional Edition N」に決めたと米国時間3月28日に発表した。欧州連合(EU)の独禁法当局である欧州委員会(EC)からの提案を,Microsoft社が受け入れたもの。

 ECは,同社が欧州市場におけるパソコンOSの独占的立場を悪用し,サーバーOSやメディア・プレーヤの販売に関して欧州の独占禁止法に違反したと判断。2004年3月24日に,4億9720万ユーロの制裁金支払いを始め,Windowsのインタフェース情報の開示,Windows Media Player非搭載版OSの提供などを命じる制裁措置を発表した。

 Microsoft社はこれが「当社に回復不能な影響を与える」として同年6月7日に控訴。続いて,控訴審の判決が出るまで制裁措置の執行延期を求めよう申請した。執行は一時差し止めとなっていたが,裁判所は同年12月に制裁措置の発行延期を退けた

 これを受け同社は2005年1月に,Windows Media Player非搭載版OSの名称候補9件をECに提出。ECは9件すべてを却下し,Windows XP Home Edition NとWindows XP Professional Edition Nを提案した。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,当初Microsoft社は「Windows XP Reduced Media Edition」と命名する計画だったが,ECに対して「Windows XP Not Incorporating Windows Media Player」「Windows XP/N」「Windows XP/B」といった候補を提示していたという。

◎関連記事
ECによる米MSへの制裁措置が執行へ,業界から賛否両論の声
ECが米Microsoftへの制裁措置発令を一時差し止め
米Microsoft,競争法違反をめぐるECの決定を不服として提訴
ECが対米Microsoftの制裁措置を正式発表,罰金4億9720万ユーロ
米Microsoft,ECとの独占禁止法違反をめぐる和解交渉が決裂
「米Microsoftによる独占状態は国防上のリスクを増す」,CCIAの調査
CCIAがMicrosoft社を欧州委員会に提訴,Windows XPが欧州競争法に違反
「独禁法訴訟はMSを変えた」――謙虚になったバルマー氏語る

[発表資料へ]