米IBMと米エネルギー省(DOE)が開発を進めているスーパーコンピュータ「BlueGene/L」が,ベンチマーク・テストLINPACKで135.3テラFLOPSという演算速度を記録した。DOEの研究部門である米国家核安全保障管理局(NNSA)が米国時間3月23日に明らかにしたもの。

 BlueGene/Lの開発は,NNSA管轄下のローレンスリバモア国立研究所(LLNL)で進めている。今回の試験は完成時に予定されている半分のシステム規模で行ったが,「世界最高の演算速度を出した」(NNSA)。なお,2004年11月には4分の1の規模で動作させて70.72テラFLOPSを出し,世界スーパーコンピュータ・ランキングTop500 Supercomputerの1位を獲得した(関連記事)。

 LLNLではBlueGene/Lを使用し,原子1600万個の動きを分子力学的にシミュレーションすることができた。ロスアラモス国立研究所の研究者らは,21億個以上の原子を設定し,金属破壊における空隙率の影響に関するシミュレーションを行った。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,BlueGene/Lは2005年夏に完成する予定で,その時点のプロセサ数は13万1072個,演算速度は360テラFLOPSという。

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