米Robert Half Technologyは,2005年第2四半期の米国IT雇用見通しに関する調査結果を米国時間3月21日に発表した。それによると,米国企業のCIOの12%が「人員増強」を計画しており,「人員削減」を考えているCIOはわずか3%だった。
調査は,100人以上の従業員を抱える米国企業から無作為に選んだ1400人以上のCIOを対象にアンケートを実施したもの。
Robert Half Technology社エグゼクティブ・ディレクタのKatherine Spencer Lee氏は「テクノロジ・セクターの不景気とそれに伴うレイオフの記憶がいまだ冷めていないため,企業はIT部門を早期拡大しないよう慎重になっている」と説明する。「大半の企業は,短期間の取り組みやピーク時の作業負荷をさばくため,プロジェクト単位でスタッフを雇用している。景気が好転すれば,雇用市場は徐々に売り手市場となる」(同氏)
人員増強を計画しているCIOの35%は「業務拡大」を主な理由に挙げており,「顧客/エンド・ユーザー・サポートの強化」(20%)と「企業アプリケーションの新規導入/開発」(19%)がこれに続いた。
最も需要のあるスキル(複数回答)は「Windows NT/2000/XPの管理」(83%)で,次いで「無線ネットワーク管理」(51%),「SQL Server管理」(49%)の順番となっている。
■2005年第2四半期の地域別IT雇用予測(単位:%) ========================================================= 地域 増加 減少 現状維持 無回答 合計 --------------------------------------------------------- 米国全体 12 3 84 1 100 ニューイングランド 10 0 90 0 100 中部大西洋 11 5 83 1 100 南部大西洋 9 1 90 0 100 中央北東 12 6 82 0 100 中央北西 9 0 91 0 100 中央南東 21 1 75 3 100 中央南西 14 6 80 0 100 山岳部 25 3 72 0 100 太平洋 13 4 79 4 100 ========================================================= 出典:Robert Half Technology社
■2005年第2四半期の業種別IT雇用予測(単位:%) ========================================================== 業種 増加 減少 現状維持 無回答 合計 ---------------------------------------------------------- 業種全体 12 3 84 1 100 製造 10 5 85 0 100 専門 13 4 82 1 100 小売 13 1 86 0 100 卸売 11 1 84 4 100 金融/保険/不動産 23 8 69 0 100 業務サービス 19 0 81 0 100 輸送業 12 7 81 0 100 建設業 3 1 96 0 100 ========================================================== 出典:Robert Half Technology社
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