米Novellは米国時間3月21日に,オープンソースに向けた取り組みで米JBossとの関係拡大を明らかにした。Novell社は,JBoss社の開発用ミドルウエア「JBoss Enterprise Middleware System(JEMS)」向けにコードおよびエンジニアリング・リソースを提供し,サポートを拡充する。

 両社は協力体制を敷き,「オープンソース・ソフトウエアをベースにしてベンダーが革新技術を組み込める,サポートの整った強力なアプリケーション・プラットフォームを提供する」としている。Novell社は第1弾として,標準ベースのポートレット・ライブラリ「Web Services for Remote Portlets(WSRP)」を提供し,JEMS用スタックの一つである「JBoss Portal」の早期市場投入を支援する。

 Novell社は,オープンソース技術を自社のWebアプリケーション開発環境「exteNd」などに組み込むというロードマップを掲げている。「Novell社とJBoss社が手を組むことにより,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)および独立系ハードウエア・ベンダー(IHV)や,ソフトウエア開発キットのユーザーは,迅速にカスタム・アプリケーションを開発し,あらゆるアプリケーションからID情報を収集して活用する強固なセキュリティ・モデルを適用することができる」(Novell社)

 Novell社はまた,自社の販売チャネルやサポートチャネルをオープンソースISVに開放する「Novell Market Start」プログラムや,Linuxネットワーク環境でのアプリケーション導入を検証する「Novell Validated Configuration」プログラムを同日発表した。

 その他,システム管理スイートの新製品「ZENworks 7」,新たな小企業向けコラボレーション・スイート「Novell Linux Small Business Suite」,今夏にリリースするコラボレーション管理ツール「GroupWise」の新機能などについて明らかにした。

◎関連記事
米Novellが大規模Linuxシステム向け戦略を発表,オープンソースのグループウエア「Hula」など開発へ
米Novell,eDirectory開発インタフェースをオープン化
米Novellがコラボレーション・サーバー「Open-Xchange Server」提供,ソースコードも無償公開
「2008年のLinux関連市場は357億ドル規模」,OSDLが米調査を引用
オープンソースの.NET互換開発環境「Mono 1.0」,米Novellの支援のもとで正式リリース
米JBoss,さまざまな開発環境を組み込めるミドルウエア「JEMS」を正式発表
米JBoss,ミドルウエア「JEMS」対応オープンソース活動への支援策を発表
米HP,米JBoss製品向けサポート/サービスを強化

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]