オープンソース団体KDE Projectは,Linux/UNIX用デスクトップ環境の新版「K Desktop Environment(KDE)3.4」を公開した。KDE Projectが米国時間3月18日に明らかにしたもの。一般的な機能強化のほか,6500個以上のバグを修正している。アクセシビリティ向上のため,テキスト読み上げ機能や操作支援機能の改善も行った。

 テキスト読み上げフレームワークを強化し,PDFビューア,エディタ,Webブラウザに組み込み,新しい読み上げツール「KSayIt」を同梱する。弱視の人々にも見やすいよう,コントラストを高めて白黒のアイコンを使う“テーマ”も用意した。

 ユーザー補助機能としては,マウス・クリック支援の「KMouseTool」,音声合成の「KMouth」,画面表示拡大の「KMagnifier」などがある。「Sticky Keys」「Slow Keys」「Bounce Keys」といったキーボード操作を補助する機能も備える。

 そのほかには,個人情報管理スイート「Kontact」の使いやすさを向上させたという。フリーのグループウエア「Kolab 2.0」に対応した結果,MS Windows Outlookクライアントと連携可能となった。グループウエア・サーバーeGroupware,GroupWise,OpenGroupware.org,SLOXにも対応する。

 インスタント・メッセージング(IM)クライアント「Kopete」は,Kontactとの連携機能を改善した。AIM,Gadu-Gadu,GroupWise,ICQ,IRC,Jabber,Lotus Sametime,MSN,Yahoo!といったIMサービス/クライアントとのやり取りが可能になり,ショート・メッセージング・サービス(SMS)による送信も行える。

 対応言語の数は49カ国語以上。KDE ProjectのWebサイトから無料でダウンロードできる。

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