米Microsoftは,次世代Webサービス技術「Indigo」のコミュニティ向け技術評価版「Community Technical Preview(CTP)」を米国時間3月16日に公開した。CTP版はプログラマ向けサービス「MSDN Universal」登録会員向けに公開されている。数週間以内に,一般向けにも公開されるという。

 Indigoは,Windowsプログラムをほかのソフトウェアにより容易に接続させるために,Microsoft社が開発を進めている新しい通信システム。同社の次世代OS「Longhorn」におけるWebサービス,アプリケーション・ツー・アプリケーションの通信を強化するもの。

 完成すれば,Indigoは,分散コンピューティングを実現するサービス指向アーキテクチャ(SOA)モデルを構築する技術として利用される。たとえば,Indigo通信システムを利用すると,Microsoftの「.NET」ツールを使って記述されたアプリケーションが,システム間を仲介する特別なコードを使用しなくても「Java」アプリケーションと情報をやりとりできるようになる。

 同社Webサービス戦略の製品マネージャ主任のAri Bixhorn氏は,「分散システムにおける2つのプログラムのメッセージ交換を実現するために,当社は5種類の異なるプログラミング技術を採用している。Indigoはこれらに代わるものになる」と説明している。同氏によれば,Indigoでは,WS-SecurityやWS-Reliable Messagingといった比較的に新しいWebサービス・プロトコルもサポートしているという。

 Microsoft社は,2月に米サンフランシスコで開催された開発者イベント「VS-Live!」において,IndigoのCTP版の提供をほのめかしていた。同社は,2005年前半にベータ版をリリースする予定。開発者向けプレビュー版には,最初のベータ版に搭載が予定されるすべての機能が収録されている。

 2006年に次世代OSのLonghornが登場すれば,Indigoは,同日CTPの第2版が公開されたグラフィック・サブシステム「Avalon」,ファイルシステム「WinFS」とともに,同OSをサポートする主要なソフトウェア要素となる。Indigo,Avalon,WinFSは,当初Longhorn上でしか動作しない予定だったが,Microsoft社はこれら3製品を既存の「Windows XP」,「Windows Server 2003」の両システムにも対応させるとしている。

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