米連邦通信委員会(FCC)は,ブッシュ米大統領がFCC次期委員長としてKevin J. Martin氏を任命したことを米国時間3月16日に発表した。同氏はMichael Powell委員長の後任を務める。

 Martin氏は,「FCCの次期委員長に任命されたことを非常に光栄に感じる。米国の消費者が引き続き世界最高の通信システムの恩恵を享受できるように,ブッシュ政権,議会,同僚,FCCスタッフと協力していきたい」とコメントを発表した。

 同氏は現在38歳。2001年にFCC委員に就任した。それ以前はブッシュ政権で経済政策大統領特別補佐官を歴任している。2000年の大統領選挙では,ブッシュ陣営の副相談役を務めていた。

 議会は,インターネット時代以前の1996年に制定された通信法(1996 Telecommunications Act)の改定に向けた見直しを行なっている。Martin氏は,FCC委員長として重要な役割りを果たすことが期待されているという。同委員会は,引き続きIP通信に関する規制,通信事業者間のネットワーク利用料金体系,全般的なサービスに関わる多くの問題に取り組んでいく。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,同氏は,現委員長のPowell氏と前Bell系通信事業者とライバル企業間の競争を促進させる方法で意見を異にしていた。両者はブロードバンド規則に関しては合意していたが,電話会社に自社のネットワークをライバル企業に格安に開放させるというアプローチに関して意見が異なっていたという。

 米Verizon Communications広報担当副社長のTom Tauke氏は,「ブッシュ政権のブロードバンド政策を支持しているため,同氏の就任は消費者と通信業界にとって朗報である」とコメントしている。

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