米DoubleClickは米国時間3月15日に,2004年第4四半期の電子メール・マーケティングについて調査した結果を発表した。それによると,当期に,電子メール配信から注文に結びついた割合は過去最高の0.35%となった。電子メールに含まれているURLのクリックから購入に至る成約率は4.8%で,「2002年第4四半期の最高記録である4.9%に次ぐ数値である」(同社)。

 電子メール配信1件あたりの収入は平均26セントで,ここ数年安定している。受信した電子メールをきっかけにオンラインで商品を購入するユーザーが増えているが,購入アイテムは価格は下がっている。「電子メール・マーケティングによる購買対象が,(低価格品を含む)あらゆるカテゴリに広がっていることを示している」(同社)

 当期における電子メールの開封率は32.6%,開封後のクリック率は8.0%だった。開封率は過去数四半期のあいだにわずかに低下しているが,クリック率は安定しており,クリックから購入に至る割合は上昇傾向にある。開封率が下がっている原因の1つは,大手ISPの多くが導入している画像フィルタリング機能だ。画像が読み込まれなければ,電子メールが開封されたかどうか認識できないためである。

 「販売事業者は引き続き電子メール配信に注目しているが,『電子メールを送ること』を第一目的にしている場合が多い。本来の目的である,『顧客との関係を構築すること』『電子メールの効果を高めること』を見失いかけている」(同社)。また,測定のための業界規格が確立されていないことも問題だと,同社は指摘する。

 「電子メール・チャネルが成熟するにつれ,販売事業者は効果的な測定方法に沿った戦略を展開し,顧客との強固な関係を構築することが重要になる」(DoubleClick社Strategic Services部門ディレクタのKevin Mabley氏)

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