米Intelが,無線携帯機器向けマルチメディア処理技術の新版「Intel Wireless MMX2」を米国時間3月14日に発表した。64ビット・アーキテクチャを採用しつつ,従来の「Intel Wireless MMX」技術と互換性のあるSingle Instruction Multiple Data(SIMD)メディア処理拡張に対応する。無線機器向けマイクロアーキテクチャ「XScale」の将来版で利用可能とする。

 Intel Wireless MMX2は複数の音声/ビデオ/グラフィックス標準に対応しており,携帯機器にグラフィックス,ビデオといったマルチメディア機能を組み込める。64ビット・アーキテクチャの採用により,これまで比べグラフィックスの画質が向上し,ビデオの処理速度が高まるという。さらに,「バッテリ駆動時間も長くなる」(Intel社)。

 Intel Wireless MMXとのバイナリ互換性を備えており,既存のコードを流用できるほか,共通のアセンブラ,デバッガ,イントリンシクス(開発フレームワーク),ベクトル化ツールが使える。同社製プロセサ向けソフトウエア・ライブラリ「Intel Integrated Performance Primitives(IPP)」も利用可能なので,IPPを組み込んだアプリケーションは自動的にIntel Wireless MMX2の恩恵を受ける。

 「モバイル機器で高い品位の音声とビデオを利用したいが,そうしたサービスを開発するには多くのコストと長い時間が必要だ。当社のWireless MMX2技術を利用すれば,複雑なマルチメディア・アプリケーションの設計が単純化し,携帯電話機メーカーやキャリアは画期的なサービスと高品位コンテンツを提供できるようになる」(Intel社携帯電話機グループ・アプリケーション・プロセサ事業部門ジェネラル・マネージャのMark Casey氏)

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