米Symantecは,同社のアンチウイルス技術に関して米国特許商標庁から新しい特許の認定を取得したことを米国時間3月2日に発表した。

 米国特許番号は6,851,057。データ駆動型ウイルス検出と説明されている同技術は,複雑なウイルス,ワーム,スパイウエアを検出するもの。同社は,同技術を企業,消費者市場向けソフトウエアの全般で採用しており,デスクトップ,サーバー,ゲートウェイ向け製品の中心的な要素となっている。

 同社によれば,同技術は新しい脅威を見つける強力なツールのひとつになっている。同社の研究者は,同技術のコードを使って簡単なプログラムを作り,実行ファイルの複雑なスキャンやエミュレーションを行なったり,自己変化型のウイルス,ワーム,スパイウエアといった複雑な脅威を検出している。

 また,研究者は,検査するファイルのスキャンしたい部分を特定できるようになったため,ファイルを広範囲に渡ってスキャンして処理速度が低下するのを回避できるようになったという。

 同特許技術は,同社Symantec Research Labs主任アーキテクトのCarey Nachenberg氏が開発したもの。同氏は過去8年間において16件の情報セキュリティ関連の特許を取得している。

 Nachenberg氏は,「数年に渡り,ウイルス,ワーム,スパイウエアは大幅に進化を遂げたため,従来のアンチウイルス・ソフトウエアでは検出が非常に難しく,時間もかかっていた。同技術では,悪質なソフトウエアの検出に関わる複雑さを軽減する。また製品をアップデートしたりパッチをあてる必要がないため,新しい脅威に対処するための必要な時間が短縮される」と説明している。

 同社は,現在アンチウイルス,侵入検出/遮断,ファイアウオール,セキュリティ/ソフトウエア管理,ストレージ,イメージングなどに関連する技術で121件の特許技術を保有している。

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