スペインのPanda Softwareは米国時間3月1日に,大量の電子メールを送信するワーム「Bagle」とトロイの木馬「Mitglieder」の複数の亜種について警告を発した。同社が検出したのは,「Bagle.BN」「BO」「BP」「BQ」「BR」「BS」と「Mitglieder.BO」「BP」「BQ」「BR」。このうち,最も拡散しているのはBagle.BNとMitglieder.BOで,これらは互いに協力して可能な限り繁殖を広げるという。

 Mitglieder.BOは「price.zip」や「price2.zip」といった名称のファイルを添付した電子メール・メッセージのかたちでコンピュータに届く。コンピュータ・ユーザーが添付ファイルをクリックすると,Mitglieder.BOはあるWebサイトにアクセスし,Bagle.BNのダウンロードを試みる。コンピュータにインストールされたBagle.BNは,インターネット経由でダウンロードした「EML.EXE」ファイルに含まれているアドレスに,Mitglieder.BOを送りつけようとする。その際,自身のSMTPエンジンを利用する。

 またMitglieder.BOは,各種アンチウイルスおよびセキュリティ・プログラムを無効にし,Windowsの「hosts」ファイルを上書きして,特定のWebページにアクセスできないようにする。

 「昨年は,マシンを乗っ取って悪用する『ボット』が増え,今後もその傾向が続く見込みだ。しかし,今回検出した新たな亜種は,エンド・ユーザーが不明な添付ファイルを開くという動作によって繁殖している。こうした(簡単に添付ファイルをクリックするような)行動をとるユーザーは,最もコンピュータのセキュリティ保護がおろそかなタイプだ」(Panda Software社米国事業CTOのPatrick Hinojosa氏)

 そのほか,英Sophosが,新たなトロイの木馬「BagleDl-L」のセキュリティ情報を同社Webサイトに掲載した。発症すると,Webサイトからコードをダウンロードしようとする。また,各種アンチウイルスおよびセキュリティ・プログラムを停止させ,hostsファイルを書き換えて,ユーザーがアンチウイルス・ベンダーのWebサイトにアクセスできないようにする。

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