米IBMが,オープンソース・コミュニティSourceForge.netでのプロジェクト運営や,IBM社の開発者向けサイトdeveloperWorksの拡充など,オープンソース活動に対する支援策を米国時間2月25日に発表した。さらに同社はイスラエルのZend Technologiesと提携し,オープンソースWeb開発言語PHP向けの統合ソリューション開発も進める。

 IBM社は,開発者向けコミュニティサイトSourceForge.netで30件以上のオープンソース・プロジェクトを運営する。同サイトは,米VA Softwareの100%子会社であるOpen Source Technology Group(OSTG)が開設したもの。登録ユーザー数は100万人以上,プロジェクト数は9万6000件ある。IBM社がオープンソースとして提供するソフトウエアは,Javaコンパイラ「Jikes」,生命科学アプリケーション構築ツール「Life Science Identifier」など。

 developerWorksは,IBM社が運営する開発者向けオンライン・コミュニティ。450万人のユーザーが登録しているという。同サイトのコンテンツを拡充して開発ツール提供や教育プログラム運営などを行い,オープンソース技術を利用するソリューション構築活動を支援する。

 またIBM社はZend社と共同で,IBM社のデータベース・ソフトウエア「Cloudscape」とZend社のPHP向け環境を統合するソリューション「Zend Core for IBM」を開発する。

 PHPは広く使われているWebプログラミング言語で,普及率は40%以上という。一方のCloudscapeは,オープンソース団体Apache Software Foundation(ASF)のデータベースDerbyをベースとするオープンソース・データベースである。

 Zend Core for IBMは2005年第2四半期に利用可能になると見込む。

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[発表資料(全体概要)]
[発表資料(Zend Core for IBM)]