フィッシング対策の業界団体Anti-Phishing Working Group(APWG)が,2005年1月のフィッシングに関する調査結果を米国時間2月24日に発表した。それによると,2005年1月に報告されたフィッシング・サイトは2560件で,2004年12月の1740件と比べて47%増加した。

 2005年1月に報告されたフィッシング・メールは1万2845通で前月比42%増加した。フィッシングによって乗っ取られたサイトは64件。初めて被害あったサイトは9件で,そのうち8件は金融機関だった。「過去2カ月間で,銀行や金融機関に対する攻撃が急増している」(APWG)

 APWG会長のDavid Jevans氏は「全体的にみると,攻撃者は高度なソフトウエアを使ってより多くのサイトを乗っ取り,同時に,小規模金融機関などへの攻撃をいっそう加速している」と説明する。「大手銀行のフィッシング対策が奏功しているため,ターゲットをより脆弱なところへ移しているようだ」(同氏)

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