米Intelは米国時間2月24日に,デジタル・ディスプレイ技術を持つイスラエルのOplus Technologiesを買収することで両社が合意したことを明らかにした。Intel社はこの買収により,成長する民生電子機器市場に向けた標準ベースのデジタル・ビデオ処理製品の拡充を図る。

 Oplus社は,約100人の社員を抱える,未公開のファブレス半導体企業。フラット・パネル・プラズマTVや液晶TV,プロジェクション・システム,多機能液晶モニターといったデジタル・ディスプレイ向けのICおよびソフトウエアを設計,開発,販売している。

 Intel社は,家庭内ネットワークを通じて,いつでもどこでも,どのようなデバイスでも,エンターテインメント,学習,コミュニケーションのためのコンテンツにアクセスできる環境を「デジタル・ホーム」と名付け,これを実現するための取り組みを行っている。その一環として,デジタル・セットトップ・ボックス,デジタル・メディア・レコーダ,デジタルTVなどの幅広い民生電子機器に向けたICおよびソフトウエアを組み合わせたビルディング・ブロックの提供に注力する意向だ。

 Intel社Digital Home Group担当バイス・プレジデント兼Consumer Electronics Group担当ジェネラル・マネージャのGlenda Dorchak氏は,「Oplus社のノウハウと技術を取得することで,成長著しい(家電)市場のOEMに競争力のある製品を提供できるようになる。Oplus社の製品は,新たなレベルの画質,色再現,ノイズ削減,鮮明度を実現している」と述べた。

 米メディアの報道(internetnews.com)によると,Oplus社は現在,「Rembrandt」「Matisse」「Monet」の3シリーズのビデオ・プロセサ製品を,仏伊合弁のSTMicroelectronics,米ViewSonic,日本ビクター,台湾のBenQといったディスプレイ・メーカーに供給している。

 Oplus社は引き続きOplusブランドとして製品を販売する。Intel社は,同社Consumer Electronics Group傘下にOplus社を組み込む予定。なお,買収金額などの詳細については明らかにしていない。

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