米Accentureは,英国およびアイルランドのIT支出に関する調査結果を英国時間2月21日に発表した。これらの国の企業経営者の56%は,IT支出が今後3年間は増えると見込んでいる。

 ちなみに米Gartnerは,「世界IT支出は2005年に2.5%増加する」との予測を最近発表している。

 調査は,Accenture社の依頼を受けたBathwick Group社が,英国およびアイルランドの経営者とIT幹部307人を対象に実施したもの。

 経営者の56%,IT幹部の38%が,「ITの投資効果はまだ結果が表れていない」と述べた。しかし,投資の成否が明確でないながらも,かねてより対立関係にある両者が,全体的に同様の意見を示すようになっている。例えば,「過去3年間で,ITの有効利用が生産性向上のけん引役となった」と考える経営者は84%,IT幹部は76%だった。生産性向上の要因としては,「業務プロセスの合理化」(経営者の83%,IT幹部の70%),「ITシステムの合理化」(同68%,同63%)が挙がった。

 生産性向上で直面している課題についても,両者の見解は一致している。経営者の64%とIT幹部の61%が「事業部門間のシナジー効果」を最も重視している。

 英国でAccenture社のStrategic IT Effectivenessグループ幹部を務めるAndrew Morlet氏は「幸いにも,経営者とIT幹部間の対立は終わりつつある」と語る。今回の調査で,事業目標とIT目標が連携していない場合,ITプロジェクトは失敗する可能性が高いことが明らかとなっている。「ITプロジェクトの失敗率が41~70%」と答えた経営者およびIT幹部のうち,社内で事業目標とIT目標が「確実に」あるいは「完全に」連携している割合は,いずれも17%にすぎなかった。

◎関連記事
「世界における2005年のIT予算は2.5%増加」,米Gartnerの調査
「今後3年間で米企業のIT支出は増加する」,米Accentureの調査
「カリフォルニア,ニューヨーク,テキサス3州のIT支出合計は日本全体にほぼ匹敵」
「IT予算は2001年3月以来最大の伸び率,今後12カ月で8.9%増の見込み」,米調査
「世界のCIO,2004年のIT支出は1.4%増加」,米Gartner調査
「IT予算は今後12カ月間で8.2%増加,Linuxデスクトップは66.5%が『計画なし』」,米調査
「米企業のIT予算は2004年に4.7%増,西部地域が好調」,米調査
「CIOの41.7%がITの主要カテゴリで支出増額を予定」,米誌の調査

[発表資料へ]