米IBMが,同社製ノート・パソコン「ThinkPad」およびデスクトップ・パソコン「ThinkCentre」向けの各種セキュリティ製品を米国時間2月16日に発表した。指紋リーダー付きUSBキーボード「IBM Preferred Pro USB Fingerprint Keyboard」,USB指紋リーダー「IBM USB Fingerprint Reader」,データ暗号化ソフトウエア「SafeGuard PrivateDisk Personal Edition」「同Enterprise Edition」,パソコン用追跡ソリューション「Computrace」である。

 IBM Preferred Pro USB Fingerprint KeyboardとIBM USB Fingerprint Readerは,パソコンへのログイン時などに指紋認証を行うための装置。「指でセンサーをなぞれば機密ファイルにアクセスできるようになり,多くのアプリケーションでパスワード入力が必要なくなる」(IBM社)

 価格は,IBM Preferred Pro USB Fingerprint Keyboardが99ドル,IBM USB Fingerprint Readerが69ドル。いずれも2月28日に利用可能とする。

 SafeGuard PrivateDiskは,ドイツのUtimaco Safewareが開発したハード・ディスク装置(HDD)用の暗号化ソフトウエア。パソコンに内蔵されているHDD上のデータ以外に,ネットワーク接続されたHDDやリムーバル・メディア内のデータも暗号化できる。IBM社は「リムーバル・メディアの盗難や紛失でも重要なデータは読まれないので,安心してバックアップや保存に使える」と説明する。

 Personal Editionは中小企業向け。3月1日より,IBM社製品のユーザーはWebサイトで無料ダウンロードできる。Enterprise Editionは大企業向け。

 Computraceソリューションは,IBM社がドイツAbsolute Softwareの協力を得てパソコンのBIOSファームウエアに組み込んだセキュリティ技術。対応しているThinkPadやThinkCentreが盗まれた場合に,パソコンを追跡したり,遠隔地からデータを消去したりできる。なお,30~60日以内にパソコンが戻らなかった場合は,最大1000ドルの補償金を受け取れる。

 Computrace対応ThinkPadは,2月後半に提供開始する。

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