米Akonix Systemsは,インスタント・メッセージング(IM)のウイルス/ワームに関する調査結果を米国時間2月14日に発表した。それによると,2005年の最初の6週間に,米Time Warner傘下の米America Online(AOL)や米Microsoftのインターネット事業MSNのIMサービスを介して,10件のワーム(亜種を含む)が拡散しており,「前年同時期の3件と比べ200%以上増加している」(同社)。

 企業は従業員のIM利用を把握し,全社的なセキュリティ対策をとることが必要不可欠だ。しかし,米Radicati Groupの調査によると,公共のIMを利用している企業は全体の85%にのぼるものの,全社的なIMセキュリティおよび管理対策を導入している企業はわずか12%だ。

 Akonix社は,IMをターゲットとするウイルス/ワームの拡大傾向は今年いっぱい続くと予想しており,「企業は,ユーザー教育,使用ポリシーの策定,およびアンチウイルス・ソフトのアップデートを実施すべき」と指摘する。

 「当社は今年初めに,『IM向けウイルス/スパム攻撃が3年連続で3倍以上増え,初めて大規模な攻撃によって世界の企業ネットワークに被害がおよぶ』と予測した。今年の最初の6週間を分析すると,今後10カ月で企業が直面するセキュリティ脅威を過小評価していた感さえある」(Akonix社CEOのPeter Shaw氏)

◎関連記事
「ユーザーをIM/P2Pのセキュリティ脅威から守る」,米IMlogicが米McAfee/米AOL/米Microsoft/米Yahoo!と連携
米AOL,IM管理/セキュリティ製品の米FaceTimeをAIMパートナ企業に
米Brightmail,企業のIM向けスパム対策ソリューションで米IMLogicと提携
「企業の36%は社内のIM利用を禁止,セキュリティ侵害や法規違反を懸念」,米調査
「職場でのIM利用が急増中,セキュリティは深刻な事態に」---米Gartnerが分析
「2004年の企業IMユーザー数は3.62億人,2008年には6.7億人に」,米調査
「米国ではインターネット・ユーザーの76%がIMを利用」,米AOLの調査
「従業員の57%が職場でIMを私的利用」,米META Groupの調査

[発表資料へ]